| 分子イメージング時代の幕開け |
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| 京都大学医学研究科放射線腫瘍学・画像応用治療学分野 教授 京都大学ナノメディシン融合教育ユニット ユニット長 平岡 真寛 |
はじめに1895年ドイツ物理学者のWilhelm Conrad RöntgenによるX線の発見より出発した画像診断学は,20世紀において大きく発展した。X線CTの登場により人類は始めて体を傷つけずに,体の中の断層構造を可視化することに成功したのである。また,MRI(磁気共鳴画像)の登場により,電離放射線を使用せずに同じく体の断層像を撮影することに成功した。Röntgenは1901年に最初のノーベル物理学賞を,Hounsfield,Cormackは,X線CTの発明により1979年に,Lauterbur,Mansfieldは,MRIの発明により2003年に,それぞれノーベル生理学・医学賞を受けている。それらの機器と並んで,超音波診断機器や,SPECT,PETという核医学診断機器も画像診断に大きなブレイクスルーをもたらし,日常診療になくてはならないものになっている。すなわち,画像診断が病気診断の中核として位置するようになったのが20世紀の医療である。 それでは21世紀において画像診断はどうなるのであろうか。20世紀同様に,あるいはそれ以上に発展し続けるというのが識者のコンセンサスである。重要なことは,その間に大きなパラダイムシフトが起きると考えられていることである。形態画像から,生体情報画像へのシフトである(Fig.1)。すなわち,生体内で起こっている生理・代謝機能,細胞,蛋白,遺伝子発現という生体情報を可視化する分子イメージングの登場である。 分子イメージングとは「生体内で起こっている生理的または病的な生命現象を,体外から細胞レベル/分子レベルでとらえて画像化する手法」である。 ここでいう分子レベルとは,一般に,遺伝子およびその発現形であるタンパク質など,分子生物学を基盤とするものを意味するが,血流・代謝といったもっと大きなレベルの生命現象も含まれ,バイオイメージングという名称と合わせ,これらのイメージングまで包括することもある。 |
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