PETシステム

MEDICAL NOW No.77

MEDICAL NOW No.77

新しい乳房検査装置の登場
- 乳房専用PET 装置 Elmammo®(エルマンモ)-

(株)島津製作所 医用機器事業部
佐藤 友彦

はじめに

乳がんの発生は,20歳過ぎから認められ30歳代ではさらに増え,40歳代から50歳代にそのピークを迎えます。女性のがん罹患率データを見ると,乳がん以外のがん罹患者数の伸びが緩やかであるのに比較して,乳がん罹患者数は著しく増加しています。
乳がんの10年生存率をみると,0期(非浸潤がん)で95%,IIIa期(局所進行乳がん)では59%,IV期(遠隔転移乳がん)では25%にまで落ち込みます。乳がんの罹患率上昇に伴い死亡率も増加しつづけており,精度の高い乳がん診断法が求められています。
がん診断の有用性が認められて保険適用されたFDG-PET検査ですが,全身用PET装置の感度・解像度では小さな乳がんを捉えるには限界があります。そこで,全身用PET検査では捉えきれないと思われる微小な薬剤集積の検出を目指し,PETの解像度とシステム感度を高め,乳房撮像に特化した乳房専用装置Elmammo(エルマンモ)を開発しました。
Elmammoとは,“信頼”の花言葉を持つElm(ニレの木)とMamma(乳房)の造語で,“乳がんから少しでも多くの女性が救われ,家庭や職場でいつまでも輝いていて欲しい”という願いをこめて付けた名称です。
本装置は,NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)助成事業プロジェクト「悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器の開発(平成18年度~平成21年度)」によって開発されたプロトタイプを製品化した装置です。製品化にあたっては,京都大学医学部附属病院においてプロトタイプを用いた臨床研究が行われました。
今回発売されたElmammoでは,その臨床研究の結果を踏まえ,女性の視線に立ち,女性の声を取り入れた,より安全性に配慮した装置デザインに一新しました。

地域がん登録全国推計による女性のがん罹患データ
地域がん登録全国推計による女性のがん罹患データ
[1975年~ 2010年]
(出典:国立がん研究センターがん対策情報センター)
本日の講演内容
乳がんの10年生存率
(出典:日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告第29号」)
Elmammoガントリ
Elmammoガントリ
  • Elmammoは(株)島津製作所の商標です。
製造販売認証番号
22600BZX00008000 核医学診断用ポジトロンCT装置 [乳房専用PET 装置Elmammo]