近赤外光イメージング装置

MEDICAL NOW No.54

MEDICAL NOW No.54

光イメージングの新生児視覚野への応用

香川大学医学部周産母子センター
日下 隆
同 小児科
磯部 健一,伊藤 進

はじめに

出生前もしくは出生時に障害を持った未熟児,新生児の神経学的発達予後は発達段階における脳への障害の時期とその程度に依存する。胎児の皮質下脳室周囲白質は妊娠第2三半期後期から第3三半期前期がより脆弱であるが,大脳基底核や皮質は第3三半期後期がより脆弱である。この選択的障害は胎児脳の,血管構築,代謝機構,髄鞘化といった,特別な器官や機能の成熟の程度に関係する。CT,MRI,超音波などの画像診断装置の高精度化は,胎児・新生児の中枢神経系の発達や神経の解剖学,生理学的理解をより詳細にしてきた。PETによる脳代謝の検討では,新生児期から乳児期にかけてグルコース代謝の局所的な発達的変化を認め,その変化は神経細胞,シナプス形成や樹状突起などの増加や減少に関係していることが報告されている1, 2)。発達時期における神経活動での脳血流増加や酸素消費は,シナプスの発達や髄鞘化などの解剖学的,機能的発達が関与していると考えられ,機能的な発達評価を行うことは臨床的に重要である。特に従来より視覚野の機能に関する研究方法として脳波や行動学的な評価法が使用されており,脳血流や酸素消費量の測定にはPET,functional MRIなどが臨床応用されているがこれらの装置は大規模でありベットサイドでの測定が不可能である。

新生児の視覚野測定におけるプローブのセッティング

(A)

プローブの位置関係。○は投光部,●は受光部,□は測定箇所を示す。

(B)

新生児の視覚野測定におけるプローブのセッティングと(A),プローブの位置関係(B)。○は投光部,●は受光部,□は測定箇所を示す。21)

1)Chugani HT, Phelps ME. Maturational changes in cerebral function in infants determined by 18FDG positron emission tomography. Science 231: 840-843.1986.

2)Chugani HT, Phelps ME, Mazziotta JC. Positron emission tomography study of human brain functional development. Ann Neurol 22: 487-497. 1987.

21)Kusaka T, Kawada K, Okubo K, Nagano K, Namba M, Okada H, Imai T, Isobe K, Itoh S. Noninvasive optical imaging in the visual cortex in young infants.
Human Brain Mapping 22:122-132. 2004.