放射線治療関係

MEDICAL NOW No.84

MEDICAL NOW No.84

放射線治療装置用動体追跡システム
SyncTraX FX4 version の使用経験

富山県立中央病院 放射線治療科
豊嶋 心一郎

はじめに

当院は富山県の都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており,汎用機2台体制で年間に約500名の患者さんに対して放射線治療を施行している(Fig.1)。2015年に新規放射線治療機器購入の機会が得られ,当初は特殊高精度放射線治療に特化した機器の導入も検討したが,拠点病院として相当数の患者さんを治療しなければならない等の理由により,従来通りの汎用機2台での体制を維持していく方針に決定した。しかしながら消化器内科医である当時の院長から動体追跡体幹部定位放射線治療を施行して欲しいとの強い要望もあり,汎用機との併用で高精度の動体追跡照射が可能となるSyncTraX FX4 version(以下,SyncTraX FX4)を同時に導入することとなった。当院ではそれまでも腹壁の動きを探知する装置にて体幹部定位照射を施行していたが,SyncTraX FX4導入後は従来よりも飛躍的に高い精度で治療が出来るシステムであると判断し,体幹部定位放射線治療を施行する際には原則としてSyncTraX FX4を用いて治療している。
SyncTraX FX4は動体追跡照射法の中でも追尾法ではなく迎撃法であるため,使用前は治療時間の延長を少し危惧していたが,実際にはFFF X線の恩恵もあって,照射時間は短い症例では12分間程度と想定よりも短時間で治療できている。また胸腹部に置いたマーカーを参照し腫瘍の動きを推測して照射するシステムではないので,計画用CT撮像に掛かる時間も短く済んでいる。治療対象に関しても超高齢者や軽度の認知障害を含む多くの患者さんで治療が可能となり,適応範囲が広がっている。

Fig.1 富山県立中央病院(病棟)外観

  • SyncTraX は(株)島津製作所の登録商標です。
製造販売認証番号
22500BZX00105000 放射線治療装置用シンクロナイザ
放射線治療シミュレータ※
[放射線治療装置用動体追跡システム SyncTraX]
  • ※本医療機器は複数の一般的名称に該当します。