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MEDICAL NOW No.73

MEDICAL NOW No.73

特別報告 第25回 ISTA 演題発表レポート
(International Society for Technology in Arthroplasty)

2012 年10月3日~ 6日に豪州シドニーで開催された第25回 ISTA(国際関節再建術学会)において4題の発表が行われましたのでご紹介いたします。

逐次近似法によるトモシンセシスを用いたTKAの弛みとポリエチレン摩耗の評価:2.5 次元画像

苑田会人工関節センター病院 院長 整形外科
杉本 和隆

目的

TKA の大腿骨側と脛骨側の骨切り面の経過観察では単純X線の正面および側面像が最初に用いられる。しかし,単純X線画像では奥行方向の位置情報がないため,初期の骨透亮像を正確に把握することは難しい。そこで逐次近似法と金属検出を併用した新しいトモシンセシスが注目されている。我々は,従来の断層撮影法(CT,MRI)では描出困難であった人工関節と骨の境界を多数のスライスで描出することができ,更にポリエチレンインサートの摩耗をほぼ3次元的に評価できる新しいトモシンセシスを多数の症例で経験したので,その結果について報告する。

Metal-on-Metal THA後に造影トモシンセシスを使用して偽腫瘍を検出した症例

苑田会人工関節センター病院 整形外科
三井 博正

はじめに

偽腫瘍はMetal-on-Metal(以下MOM) THA後の合併症として知られている。この偽腫瘍は通常MRI を用いて検査を行うが,金属の近傍に発生する局所的な偽腫瘍は,金属と磁場の相互作用による強い画像歪の影響を受けて明瞭に観察できないことが考えられる。CT では金属によるビームハードニング効果により画質が劣化する。そこで,我々は低線量で金属性アーチファクトが少ないことで知られるトモシンセシスに造影剤を使用して偽腫瘍の検出能を評価した。

新しい断層技術,トモシンセシスを使用したTKAの金属周囲の微小骨欠損の検出

大阪市立大学大学院医学研究科 整形外科学教室 講師
箕田 行秀

はじめに

近年,TKA 症例が増加するのに伴い,TKA の弛みや骨融解が増えているためTKAの再置換術が急速に増加している。大きな骨融解がTKA の再置換術で最も重大な問題である。従って,TKA の金属周囲で発生する骨欠損が広範囲に及ぶ前に,早期に検査をすることは非常に重要である。しかし,大腿骨コンポーネントの弛みや骨融解をX線透視装置で,初期の時点で検出することは困難である。新しい断層技術(トモシンセシス)がTKAの周辺の初期の骨欠損を検出する方法として提案された。この研究の目的は,豚の大腿骨を用いたTKA 周辺の骨透亮像と骨融解の検出感度と特異度を透視撮影装置による単純X線像と新しい断層技術で比較検討することである。

逐次近似法によるPost-TKAトモシンセシス画像の金属アーチファクト低減

(株)島津製作所 医用機器事業部
西野 和義

要約

人工膝関節置換術(TKA)後の経過観察において,金属アーチファクトの低減と高い空間分解能の両立を目的として,逐次近似法(IR)と金属抽出手法を組み合わせた新しいデジタルトモシンセシス画像再構成方法を開発したので報告する。金属アーチファクトの低減効果について,通常のフィルター補正逆投映法(FBP 法),金属アーチファクト低減用フィルターを持つFBP 法,および提案手法の3 手法で比較した。提案手法は高い空間分解能を保ちながら,顕著な金属アーチファクト除去効果を持ち,金属に非常に近い領域においても骨構造の詳細な観察が可能である。

  • SONIALVISION safireは(株)島津製作所の商標です。
製造販売認証番号
220ABBZX00261000 据置型デジタル式汎用X線透視診断装置[X線テレビシステム SONIALVISION safire17]