X線TVシステム FLEXAVISION ユーザーズボイス
歪のない高性能FPDにより微妙な陰影まで確実に画像化し
胃検診の精度が向上
健診部 画像検査課
課長 藤岡 守 先生
長きにわたり健診事業を推進
当センターは富山市医師会が1969年に創設した健康管理センターで,年間約2万人,集団バス検診では約1万5千人のお客様がご利用されます。2005年に現在の場所に新築移転し,より満足いただける健診事業に取り組んでいます。現在1日100人程度の人間ドック受診者が来られ,胃X線検査は4台で80名前後を実施し,フル稼働しています。
長年の実績から信頼して安心できる島津X線TV装置
デジタル化が進む中,X線TV装置についてもパルス透視や高感度FPDによる受診者の被ばく低減,フィルムなどのコスト削減,廃液を減らすことによる環境への配慮など様々な理由から,デジタル化する必要に迫られました。従来から島津製X線TV装置を使用しており,更新前のシステムも非常に良い装置で20年間大きなトラブルもなくずっと稼働していました。信頼して安心できるということで,3台一斉にFLEXAVISION F3 Package(以降F3)に切り替えました。
視野が広く歪みのないFPD
I.I.-DRシステムも検討しましたが,I.I.-DRは撮影画像も丸く視野が狭くなります。一方,FPDシステムは視野も広く画像の隅々まで歪みがないため安心して検査できます。迷わずFPDに決めました。
検診時の視野サイズは二重造影の場合9インチが基本です。また立位正面では広い視野で必ず充盈像を1枚撮りますが,12インチで納まらない方もおられ,その場合は14インチで検査します。I.I.システムでは写らなかったところがワンショットで隅々まできれいに撮れ,胃部以外に他の所見が見つかるケースもあります。
FPDが取出せ将来的に強い味方に
このクラスではFPDが大きめで,取出して一般撮影に使用できる点も他にない利点です。今はまだFPDを取出していませんが,将来的に医師会共同利用施設としてX線装置を持たないクリニックの先生方の強い味方になると思います。FPDを撮影台の上に置いて四肢を密着させて撮影したり,X線管を1.5m引伸ばし胸部撮影にも利用でき,非常にメリットがあると思います。
コンパクトで明るい色の本体が好印象
他のFPDシステムと比較して良かった点は,本体がコンパクトでキャビネット数も少ない点です。また本体が明るいパステルカラーで美しく,受診者に与えるイメージが良い点です。さらに透視台本体にベッドサイドコントローラがある点や,電動肩当てが付けられるという点も挙げられます。
きれいな画像が診断をサポート
この装置の1番の評価ポイントは高画質な点です。既存の他メーカーFPD装置と比較してノイズも抑えられており,かつエッジが立ちコントラストもしっかりついています。毎朝のファントム撮影でも両者の差異が明確にわかります。また以前のアナログ装置と比較して最も違いを感じたのは,仰臥位や仰臥位第一斜位そして肺と重なる部分でバリウム濃度差が大きい部分が黒潰れ白とびしていたのが,しっかり撮影できるようになった点です。非常にラチチュードが広く,とても良い画づくりをしているという印象を受けました。仰臥位二重造影の大彎側はレリーフが多く,その中に病変があると見逃しやすい部分です。角度をつけると黒潰れし易かったのが,濃度がついて見やすくなりました。胃の上の穹窿部はバリウムの付着も悪く空気が多いためコントラスト差が強く見え難い時がありましたが,今は粘膜像まできれいに見えるようになりました。
受診者に優しいパルス透視とベッドサイドコントローラ
パルス透視により受診者の被ばくが減った点は大きなメリットです。通常の透視を選べたとしてもパルス透視を選ぶと思います。また,ベッドサイドコントローラはとても使いやすく,受診者をサポートしながら寝台の起倒操作が容易に行えます。これにより,技師が近くで声を掛けながら装置を動かすと高齢の受診者さんも安心感がありますし,近接操作卓を購入する必要がなくコスト面でもメリットがあります。
電動肩当てで高さ調節もスムーズ
逆傾斜時に安心して検査を進められるよう電動肩当てを使用しています。肩当てを付けると透視台の幅が狭くなりますが,F3のものは角が斜めにカットされており受診者に与える圧迫感を和らげ,回転などもスムーズに行えると思います。今までの肩当ては手動で技師が中に入り高さを調節していましたが,その手間が省け1日に1人でも2人でも多く検査が行えます。また今までのものは両肩調節するには装置の奥側に回り込む必要がありましたが,F3の電動肩当ては左右別々に動かせて非常に使いやすいと思います。受診者によって左右の肩の高さが異なる場合もあり,その際に便利です。
ベッドサイドコントローラ(矢印)と電動肩当て
コンパクト設計で作業スペースを確保
キャビネットが減り部屋が広くなりました。圧迫感が減り部屋がきれいに見えて良いと思います。また,キャビネットが多いと発熱量も増え,空調が効き難くなります。本体も撮影系の可動範囲は変わることなくコンパクトになりました。受診者をサポートする時やメンテナンス時に作業しやすいと思います。バリウムがこぼれ本体の奥側に付着しても,回り込んで掃除が容易に行えます。
フィルムが減り保管期間を10年に拡大
約4年前から一般撮影装置等を順次デジタル化してきました。デジタル化はフィルムコストや保管場所,保管の手間,過去画像の検索などを考えると十分なメリットがあります。これまでカルテ庫や貸倉庫で5年分のフィルムを保管していましたが,保管スペースをこれ以上増やす必要がないため保管期間を10年に延長しました。最後の検査結果だけではなく,どのように検査をして,どのように読影していったのかという記録をきちんと残すためです。
まず撮影画像が高画質です。また,このクラスでは十分な視野サイズのFPDを搭載しておりコストパフォーマンスに優れたシステムです。胃X線検査以外の用途を検討されているのであればこの点はお勧めできます。FPDが取り出せ密着撮影に使用できる点や,X線管球を1.5m引伸ばしでき一般撮影のバックアップとして使用できる点も可能性が拡がります。
製造販売認証番号 | |
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218ABBZX00202000 | 据置型デジタル式汎用X線透視診断装置 [X線テレビシステム FLEXAVISION] 据置型デジタル式汎用X線診断装置※ 据置型アナログ式汎用X線診断装置※ |