近赤外光カメラシステムLIGHTVISION2

特長

光で映す血管・リンパ管

光を用いたイメージング ICG蛍光法

ICG蛍光法は、血管・リンパ管等に投与した薬剤(インドシアニングリーン:ICG)に近赤外励起光を照射した際にICGから発生する微弱な近赤外蛍光を画像化することにより、組織表面下の血管やリンパ管の観察を可能にする手法です。

光を用いたICG蛍光イメージング

血管やリンパ管の動体把握が可能

ICG蛍光法は手術中にリンパ管の同定や血流の確認などが短時間で容易に行えるため注目を集めており、特に乳がん手術時にセンチネルリンパ節を迅速に同定できる点において有用性が認められています。

血管やリンパ管の動体把握が可能

 

画像提供:高知大学医学部附属病院乳腺センター様

臨床応用の拡大

臨床応用の拡大

LIGHTVISION2は術中に、リンパ流や血流を簡便に描出でき、これまでにない臨床価値を提供します。ハイビジョンセンサ搭載により高精細画像を実現しており、皮弁など細かな血管の血流確認を必要とされる手技で有効です。また、撮影野が広いため腹部などの広範囲を一画面に収めることができ、腹部皮弁や胃管血流評価の際に全体像を短時間で確認できます。更に蛍光画像の表示色を変更できるためセンチネルリンパ節同定時に威力を発揮します。LIGHTVISION2の臨床応用は、様々な術式へと拡大が期待されます。

臨床応用の拡大

乳腺外科

センチネルリンパ節同定

原発巣から腋窩まで広い範囲でリンパ流を明瞭に可視化することにより、正確なセンチネルリンパ節の同定を支援します。切開後はズーム機能で切開部分を拡大表示し、リンパ節を視覚的に周囲組織と識別することができます。また、RIを用いないため、被ばくもありません。

乳がんセンチネルリンパ節同定
画像提供:高知大学医学部附属病院乳腺センター様

乳がんセンチネルリンパ節切除
画像提供:高知大学医学部附属病院乳腺センター様

形成外科

皮弁血流評価

最大10倍のズーム機能を装備しており、広角表示により、腹部の大きな皮弁でも全体を画面に収めることができ、皮弁の血流灌流や穿通枝の判断を支援します。また、拡大表示では吻合後の血管を高精細に描出し、開存性の評価に役立ちます。

乳房再建における皮弁血液灌流評価

乳房再建における血管開存性評価

皮膚科

センチネルリンパ節同定(悪性黒色腫)

広い範囲を一画面で明瞭に表示することができ、がんの原発巣から長くのびるリンパ流の追跡を支援します。

悪性黒色腫センチネルリンパ節同定

心臓血管外科

冠動脈バイパス手術時の血管開存性評価

X線透視を行うことなく、グラフト血管の開存性や心筋血液灌流を術中にリアルタイムに可視化することができます。

冠動脈バイパス術における血管開存性の評価
画像提供:高知大学医学部付属病院様

消化器外科

胃管の血流評価

組織の血液灌流を明瞭な画質で描出します。術中に血流を明瞭な画質で描出することにより、吻合部の決定を視覚的に支援します。

胃管形成時における血液灌流の評価
画像提供:高知大学医学部外科1様

腸管の血流評価

吻合予定部の血流を可視化することで縫合不全などの合併症のリスク低減を支援します。視野が広く関心領域全体を一度に観察可能です。

大腸がん手術における血流確認

高精細画質で手術を正確にナビゲート

高精細なハイビジョン画質

ハイビジョンセンサを搭載しており高精細画像表示が行えます。これにより蛍光を発する血管・リンパ管を明瞭に確認できるとともに、周囲組織や手術器具との位置関係を解像度の高い画像で確認することが可能です。

大型モニタに明瞭に表示可能

既設の大型モニタで表示した場合も十分な高解像度で画像表示することができます。離れた場所にモニタを設置しても確認が行えるため、手術スタッフ全員での情報共有もスムーズに行えます。

  • モニタは本製品には含まれません。既設のものをご使用いただくか、担当者にお問い合わせ下さい。

表示例:乳癌センチネルリンパ節の同定

ひと目でわかる3画面同時表示

 モニタには可視画像、近赤外蛍光画像、可視+近赤外蛍光画像の3画面を同時表示できます。周囲組織と対比させながらICGの光る部分を確認することができますので、切除範囲の決定にも有効です。

ひと目でわかる3画面同時表示

血管やリンパ管をわかりやすく色変更可能

近赤外蛍光画像の色を白の他、周囲の組織や血液・体液の光の反射と区別しやすい緑や青に変更することができ、血管やリンパ管の把握が行いやすくなります。

表示例:乳がんセンチネルリンパ節同定及び切除

明るい部屋で撮影可能

手術室の照明を点けたままで撮影が行えますので、患部と撮影画像の比較が行えます。

  • ※無影灯は消灯いただく必要があります。
明るい部屋で撮影可能

自在に操作可能なカメラアーム

ハンズフリーで撮影可能

自立型伸縮アームの採用により、ハンズフリーで使用できます。手術スタッフの負担を低減するとともに、手ぶれのない画像表示を可能にします。

ハンズフリーで撮影可能

ワイドなカメラの可動範囲

アームを最大約180cmまで伸ばすことができますので清潔エリアから離れた場所に本体を設置できるとともに、手術室や周辺機器の状況に応じて最適なレイアウトが行えます。 

ワイドなカメラの可動範囲

自由なカメラポジショニング

完全バランス方式のアームにより、思いのままのカメラ高さと角度で素早くポジショニングすることができます。手術の種類や患部の状況に応じて最適なカメラ位置で撮影が行えます。 

自由なカメラポジショニング

術野作業に必要なワーキングディスタンスを確保

高輝度光源と高感度画像センサ搭載によりワーキングディスタンス(術野~カメラ間距離)約50~70cmを保ちながら撮影可能です。術野作業を行いながら、同時に撮影を行っていただけます。 

術野作業に必要なワーキングディスタンスを確保

本体側から小型モニタで画像確認可能

本体に操作者が本体側で操作確認や画質調整を行うための小型モニタを設置しました。 

本体側から小型モニタで画像確認可能

リモコンでカメラ調整可能

リモコンによるカメラ調整が可能です。リモコンには露出・フォーカス・ホワイトバランスの3つの自動調整機能を備えており、最適な画像表示がすばやく行えます。 

リモコンでカメラ調整可能

移動や位置調整が行いやすい本体

手術室間の移動が安定して行える本体設計です。手術室内での位置調整が行いやすいように前後にハンドルを設けています。 

移動や位置調整が行いやすい本体

視野調整可能なリモート雲台(オプション)

リモコン操作でカメラの角度調整が行えるリモート雲台オプションをご用意しています。本体から離れた場所でカメラの視野を調整し、関心領域を表示することができます。 

視野調整可能なリモート雲台(オプション)

ご参考資料

・Yoshimatsu H. et al. Application of intraoperative indocyanine green angiography for detecting flap congestion in the use of free deep inferior epigastric perforator flaps for breast reconstruction
Microsurgery 2021

・Yamamoto M. et al. The impact of the quantitative assessment procedure for coronary artery bypass graft evaluations using high-resolution near-infrared fluorescence angiography
Surgery Today 2021 

・Kitagawa H. et al. Correlation between indocyanine green visualization time in the gastric tube and postoperative endoscopic assessment of the anastomosis after esophageal surgery
Surgery Today 2020 

・Teramoto Y. et al. Intraoperative use of LIGHTVISION: a novel fluorescence navigation system using indocyanine green for sentinel lymph node biopsy in skin cancer patients.
European Journal of Dermatology 2018 

・Miyashita S. et al. Hepatectomy Using a Novel Cart-Based Indocyanine Green Fluorescence Imaging System
Surgery Today 

製造販売承認番号
30400BZX00125000 ICG蛍光観察装置 [近赤外光カメラシステム LIGHTVISION2]

本ページは医療従事者向けに手術支援システムを紹介しているページのため、手術中の臨床画像が含まれます。

本ページは医療従事者向けに手術支援システムを紹介しているページのため、手術中の臨床画像が含まれます。